前回 2019.05.19 の投稿以来、およそ2年と3か月ぶりの投稿です。
この間、本当にいろんなことがありました。このブログサービスJUGEMの運営会社も変わってしまいましたね。
このブログサービス(JUGEM)がいまだに https に未対応でGoogleにインデックスされなくなったこともあって、もはや検索で見つかることがなく、こっそり自分の意見をポストして記録しておくには最適な場所になりつつありますw
ところで、前回の投稿「まわるまわるよ 時代はまわる」で私はこんなことを書いていました。
常々感じていることなのですが、IT業界、それもインターネット以前の1970年台ぐらいから、大きなトレンドの繰り返しは実は変わって無いんじゃないかなというのが、私の持論でもあります。
そのトレンドというのは「集中と分散の繰り返し」ということです。
(中略)
直近の大きなトレンドはクラウドコンピューティングだと思います。これはどちらかというと「集中」です。
あらゆるデータ、あらゆる機能、あらゆるサービスが、クラウド化という波で、どんどん「雲の上」に集められて行っています。
そんなトレンドにのっかって、メガクラウドベンダー(AWS(アマゾン)、Azure(マイクロソフト)、GCP(グーグル))はものすごい成長をしていますし、SalesForceのようなSaaSも、FacebookのようなSNSも成長してきました。
このトレンドがそろそろ終わるんじゃないかというのが、私が感じていることです。「集中と分散の繰り返し」というトレンドが変わることが歴史的に見ても変わらないことという前提で考えて「そろそろ終わる」と。
そう、2年前にこの記事を書いたとき、そろそろ「集中」のトレンドが終わって「分散」のトレンドがはじまるんじゃないかと感じていて書きました。
この時、この「分散」のトレンドがどういう形でどう表れて、どう呼ばれて、どういった組織(企業や団体)がそれを牽引していくのかまでは具体的に思い描いていたわけではないのですが、歴史が繰り返していることを考えると、そろそろ「分散」のタームだよなぁとぼんやりと思っていたのでした。
2022年の今、そのイメージが具体的に世間でも話題になることが増えてきました。
web3 です。
Web1.0 の主なユーザ体験が read only (ブラウズする)
Web2.0 の主なユーザ体験が read and write(書き込んでユーザー同士でコミュニケーションする・シェアする・フォローする・される)
Web3.0 の主なユーザ体験が own (所有する)
と説明することもあるようです。
これまでWebのユーザは、誰かが提供するサービスを通じて自身の活動を書き込んで、それがインターネットを介して表示されている世界線でしたが、web3 では「誰かが提供するサービス」ではなく、パブリックブロックチェーン上にユーザー自らが直接記録しそれをユーザー自身で永続的に所有し続けられるという世界線になってきます。
なんだか、わかったようなわかならいようなお話です。
web3 の主なユーザ体験は、自分がブロックチェーン上に記録した情報資産のオーナーになって、それを活かす(資産として運用する)ということとも言えそうです。
オーナーですから、自分の意志で何だってできます。
貸してもいいし、売ってもいいし、ただ置いておいても良いし、もちろん自分で使ってもよい。誰かに使ってもらって活かしてもらってもよいのです。また、誰かが売っているものを買って、自分の所有物を増やしても良いのです。
自身の活動により、所有物を活かすことで、金銭的なリターンを得られる可能性があるのも web3 のユーザ体験で、これまでのそれとは違うところかもしれません。
え、それじゃ、自分でフォロワー集めて、自作のコンテンツを発信することで、広告収入を得るのと何が違うの?
となりますが、これが仮にYouTuberだったとすれば、YouTuberの活動は、YouTubeというプラットフォームありきでなされる活動であり、YouTubeというプラットフォームから ban(=出入り禁止)をくらったら、フォロワーも、自作のコンテンツも、広告収入もすべてを失う(=実は、自分の資産としてなに一つ所有はしていなかったものなのだとその時になって気づく)というところでしょうか。がゆえに、発信者は、そうした事態(ban)が起こらないように発信の内容に気を配る必要も出てきます。
YouTuberの例をまったく同じように web3 化するには、いろいろと工夫が必要な気がしますし、まったく同じ収益構造にはならない気もしますが、運営に ban されることが無い、自前のコミュニティを形成して、自前の経済圏を作ることができる可能性を web3 は持っているように感じます。コミュニティは、そのコミュニティを形成するユーザによって所有される世界線となり、永続的に特定のプラットフォームに依存しない存在になりえる可能性があります。
え、それじゃ、コミュニティの「運営主体」がいるんじゃないの?どこかに特定の「管理者」がいるんじゃないの?
そう、そこで登場するのが DAO です。Decentralized Autonomous Organization の頭文字で日本語では分散型自律組織です。もうわけわからないですよね。
どうやらこういうことのようです。
コミュニティの中心にDAOがあります。DAOはプログラム。プログラムが自律的に動くことで永続的な機能をコミュニティに対して提供します。コミュニティ参加者はDAOを構成する要素でもあり、プログラムのユーザであり、かつ、開発・更新する一員になることもあります。DAOにおける意思決定はコミュニティ参加者によって民主的に決めていきます。コミュニティ参加者は、DAOの機能とコミュニティの規模から生じる経済価値を所有でき、それがコミュニティへの参加・発展への貢献のインセンティブになる、という世界線となります。
世界はそれを web3 と呼んでいます。
やっぱりなんだか、わかったようなわかならいようなお話ですが、Web1.0のころもそんな感じだったと思います。
「インターネットが世の中を変えるんだから!」
「時間と場所の制約がなくなるんだから!」
「すべてがつながるんだから!」
ということが当時言われていましたが、ピンと来ていた人はごく一部の人で、大多数の人は「ふーん。で?電話と何が違う?インターネットってよくわからないし、怪しいし、怖い。一部のパソコンオタクしかやってないやつでしょ。」ぐらいな感じだったと思います。
そういう意味では、web3 も、web4、web5 と深化していきながら、より軽快なユーザ体験になって、難しいことが判らなくても自然に利用できているという「一般化」が進むんだろうなと思います。インターネットのいつか来た道です。
日本は大変残念ながら、web3 に関して世界に大きく水をあけられてしまっています。これは事実です。
また、web3 に注目して活動する多くの若い日本人(Z世代)は、どんどん海外に活動拠点を移していってしまっています。これも事実です。
理由はいろいろありますが、これは日本のインターネット産業にとっては相当に由々しき事態です。どげんかせんといけん。
閑話休題。
サンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ!」がエンディング主題歌だったドラマ「電車男」は、Web2.0の先駆けとしての出来事を世の中にわかりやすく知らしめた1つの象徴的なコンテンツでした。
はたして web3 における象徴的な出来事はどんな形で登場してくるのでしょうか。
私自身、インターネット業界の中の人として、その出来事を駆動する側でいたいと思うところです。Z世代の親父世代ですが、若い人たちに負けないように、がんばろうと思いますw
最後に2冊の本のご紹介。
私がブロックチェーンやweb3についての知識を得るために読んだ本です。
信用の新世紀 ブロックチェーン後の未来
2000年からデジタル通貨の研究を行っていた著者の斎藤先生が、2017年の暮れに初版発行した、ブロックチェーン技術の詳細な解説と、その存在自身が意識されることなく社会インフラの一部になっている未来の状況を短編SF小説として書き下ろした著作。短編SF小説が冒頭にあって、そのあと、ブロックチェーン技術に関しての解説書的な構成になっています。
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テクノロジーが 予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる
web3の全体像を知りたい人が読むと良い本です。伊藤穣一さんが網羅的にweb3を解説し、未来がどう変わるのかを伝えてくれています。
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毎回そのネタを求める娘からあれこれ質問されるのですが、先日「金閣寺と銀閣寺」をテーマした自習学習がしたいというので、娘の頭の整理につきあってあげました。
金閣寺と銀閣寺は作られた時代の流行りが反映された建造物です。
ド派手な金閣寺は、足利義満が建造した別荘で、武家の文化と公家の文化が融合した煌びやかでキラキラしたものが流行っていた時代のものです。
一方の銀閣寺は、金閣寺を立てた義満の孫にあたる足利義政が建造した別荘で、当時流行っていた禅宗の影響を受けて、簡素でありながら非常に洗練された深みのある文化の集大成となっています。
娘の自習学習では、この流行りの変化(=文化的なトレンド)という観点で考えてみたら面白いんじゃないの?という大人のいい加減な一言から、娘なりにいろいろ深堀をしてみたようです。
で、たどり着いたのは、バブル期に「高級品が良いもの」とされて流行った時代と、現在のように「自然でエコで持続可能なものが良い」とされる時代の変化と同じだね、という観点でまとめ、「今も昔も変わらないのは、時代によってトレンドが変わるということだ」と結論付けて、その部分で先生からはなまるを頂いておりました。よかったね。
確かに娘が結論付けたとおり「今も昔も変わらないのは、時代によってトレンドが変わるということだ」ということのように思いますが、ITの業界も同じだなぁと思うのです。
常々感じていることなのですが、IT業界、それもインターネット以前の1970年台ぐらいから、大きなトレンドの繰り返しは実は変わって無いんじゃないかなというのが、私の持論でもあります。
そのトレンドというのは「集中と分散の繰り返し」ということです。
コンピュータ(計算機)が機械式だったころからはじまり、ギアの組み合わせで動いてたいものが、電気信号に変わって、その集積度がどんどん高まって、処理が高速化されて、記憶容量も大きくなって、小型化が進み、さらにはネットワーク化されて、どんどん変化・進化してきました。
その過程の中で、IT業界にはトレンドが生まれ、時代のトレンドに乗ってめちゃくちゃ流行ったプロダクトやサービスというのがそれぞれの時代の中にあるわけですが、そのトレンドの大きな流れは「集中と分散の繰り返し」というところになるように思えてくるのです。
直近の大きなトレンドはクラウドコンピューティングだと思います。これはどちらかというと「集中」です。
あらゆるデータ、あらゆる機能、あらゆるサービスが、クラウド化という波で、どんどん「雲の上」に集められて行っています。
そんなトレンドにのっかって、メガクラウドベンダー(AWS(アマゾン)、Azure(マイクロソフト)、GCP(グーグル))はものすごい成長をしていますし、SalesForceのようなSaaSも、FacebookのようなSNSも成長してきました。
このトレンドがそろそろ終わるんじゃないかというのが、私が感じていることです。
「集中と分散の繰り返し」というトレンドが変わることが歴史的に見ても変わらないことという前提で考えて「そろそろ終わる」と。
といっても完全になくなるわけでは決してなくて、もちろんビジネスとしての継続はあると思っていますが、別のトレンドで新しい熱狂が始まって、ものすごい成長をするものがまた現れるんじゃないかという妄想です。
その要因の一つになると思うのは、5Gの登場です。
この5Gの普及が「集中と分散の繰り返し」というトレンドの「分散」方向へのシフトを思いっきり後押しするような気がしています。
さらにその背景として「分散」を後押ししそうな技術(5Gの登場で一気に開花しそうな技術)がいくつかあります。
IoT関連の様々なプロトコル
ブロックチェーン
マイクロサービスアーキテクチャ
パスワードレスの認証技術
暗号資産
これらの技術が5Gシフトで一気にその有効性・有用性を発揮して「分散」のトレンドを生み出し始めるような気がしています。もちろん「クラウド」はその背景にある基盤の技術として活用され続けるので、クラウドコンピューティング自体がなくなりはしないと思いますが、トレンドの中心ではなく当たり前のものになってくるんだと思います。
5Gの普及は、これまでのシステム構成を大きく変えるもの(変えられるもの)になると思っています。
今動いているもの、使っている道具は、すべてが5G前提の新しいシステム構成へ変えられていくことになると思います。
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そういえば「令和」って初めてキーボード入力した気がします。
GWに入ってからはずっとスマホでしたので、久しぶりにPCを開きました。
ところで、私がブログを初めて書いたのが2004/05/30。今から14年と341日前だそうです。久ぶりに開いたブログ(JUGEM)の管理画面のトップページに表示されていました。もう15年にもなるのですね。
ここのところ自分なりにインプット量をかなり増やしていまして、月4冊ペースで本を読み、雑誌とか新聞とか、紙媒体を目にしたら何か読むということを心がけております。
アウトプットも「ゼロ秒思考」に影響されて、とにかく書く、思いついたら書く、何か考えが廻ったら書く、というのをはじめまして、頭を高速に動かす癖をつけるようにしはじめました。
その延長で、久しく書いてなかったブログも書いてみようかなということで、新元号になったことでもありますので、良いタイミングかなと思って、久しぶりにJUGEMの管理画面を開いてみたわけです。
GMOペパボの佐藤社長にも「たまにはブログ書いてくださいよ〜」って言われたりしてたのですが、一度書かなくなると、また改めて書き始めるきっかけってなかなか見つからなくて「そうだ、改元したらまた書こう」なんて、勝手に決めてました。
特に何か伝えたいメッセージとか、発表したいこととかがあるわけではないのですが、この長いGWに入って、元号が変わって、ちょっと感じたことを少しだけ。
「改元」ってなんだかすごい仕組みですねって、思いました。
元号が変わって、なんだか今年はお正月が2回きちゃったみたいな感じじゃないですか??
時代に区切りをつけるものでもあり、新しい時代が始まる感を醸すこの「改元」という仕組みが、なんだかすごいなぁと。
新しい元号「令和」が発表される直前までは「元号って変わるし、いろいろ面倒だから、西暦だけ使えればいいんじゃないの?」なんて雰囲気も若干あったりした印象なんですが「新元号は『令和』です」って発表されてからは、なんかいよいよ元号が変わるってことで、なんとなくみんなそわそわしはじめてた印象です。
「平成」に変わる時と違って、喪に服す感じではなく、お祝いな感じだったのも良かったのでしょうね。
あと、今日は憲法記念日ですが、たまたまこのタイミングで、昨日の夜、社会(公民)の勉強(宿題?)をしていた娘と一緒に日本国憲法の前文を読みました。
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
タイミング的にいろいろ感じたり考えたりしたのですが、令和の時代、平和であるようにと、改めて思いました。
アポがひとつキャンセルになったので久々にブログを書いてみることに。
さて、何を書こうかと考えてキーボードを叩く。
そういえば、先週末、実家に帰ったら、両親が「インターネットをやりたい」と言い出した。
聞くと、母がかなり熱心にやっている太極拳の試験結果がネット経由だと早く見れるとかで、インターネットを使うモチベーションが出てきた様子。
思い立ったら吉日ということで、その場で持ってった iPad 使って、足回りとISPを申し込むことに。
いざ、申し込もうと思うと、何を申し込んだら良いのか、はたと考える。
で、結局選んだのは、「とくとくBB」。
そうです、GMOのサービスです(笑)
フレッツ光の回線サービスと同時にお申し込み。
おぉ、そうか、回線の工事はアイティーエックスが引き受けるのかー、などと独り言を言いながら、本当に10分かそこらで、申し込みは終了。
パソコンは今度行く時に、我が家でかつて使っていた古いノートパソコン(Let's Note)を持っていく予定。
WiFiルータも購入してセットアップせにゃと思っています。
このプロセスを「マーケティング」と呼ぶこともあると思います。
受託の仕事はクライアントが求めるものを求められたとおりに作るというのが基本的なスタンスでもあるため、このマーケティングの感覚が、放って置くと非常に鈍ります。
しかし、今や、古き良き時代のように、とにかくIT化、とにかくシステム化、とにかくインターネット、とにかくEC、みたいな、「中身と成果はともかく、まず、当社も取り組むことが重要」、といった姿勢でシステム化を検討する企業は皆無となり、システムの導入・開発の取り組みには、それが企業内だろうが、BtoCだろうが、BtoBだろうが、全て、「マーケティングの結果に基づく判断」が必要になって来ているように思うのです。
特定のユーザのみを想定した仕組み作りに収まる機会が減っているというのもあるかもしれません。技術の進歩で大規模なユーザ(不特定多数)を対象にできる仕組み作りが可能になったというのもあります。そうしたスケールを生み出せる取り組みにしなければ、「収益を生む」というビジネスの本来目的を果たせないというのも事実です。
つまり、受託型のシステム開発においても、システムのユーザという不特定多数の大集団が作る「群」を「マーケット」と捉えて、そのマーケットが何を望んでいるのかを仮説・検証して分析し、要件や仕様をサービスリリース後も「開発」「実装」していける力がますます必要になってきているように思うのです。
従来の受託に見られたような、決められた仕様どおりのシステムを納期に間に合うように品質第一で作る(納品する)という感覚よりも、マーケットが望む商品やサービスを顧客と一緒になって企画・開発し、マーケティングプロセスを小気味良く回しながら、だんだんと育てていくという感覚が重視されるということです。
この感覚の切り替えは、受託のみに長年注力してきた企業からみると極めて難しい頭の切り替えだと思います。
行動様式がまったく違います。
「仕様や要件をお客様からヒアリングして完全に理解し、設計に反映する」
→ 経験と長年の勘から得られる専門知識、そしてそれに裏づけられた質問力と理解力が重要
「仕様や要件をマーケティングという活動を通じて見つけ出し(提案し)、説明(プレゼン)する」
→ 今を捉えるための行動力と洞察力、そしてストーリー構築力が重要
前者は従来の受託開発でのお話。後者は今求められている受託開発会社で重宝される能力です。
私の個人的な印象かもしれませんが、Web制作会社や広告代理店は、後者の発想で提案ができる動き方をこれまでもしていたため、時代に合っており、システム開発を含む提案の機会が今でも増えているように思います。
でも実は、システム開発の能力のある企業が、マーケティングのセンスを持つことが実は最強です。より具体的に、より詳細に、よりテクニカルに、物事を進めていける可能性があります。潜在する技術的なリスクの回避も可能かもしれません。
近年、急成長しているネット系企業の共通点はそれです。
システム開発の能力の高い企業が、マーケティングのセンスを併せ持っているのです。
当社もそこを目指しています!
「答え(指示)は誰か(お客様)が知っている(出してくれる)」という考え方は思い切って捨てて、「自らの体験・体感から答えを予測し(仮説を立て)、それが本当にそうなのか、さらに行動して情報収集し(検証)、それらの情報から、自らで結論を出す(意思決定)」という能力を磨くことが、今の受託開発の現場に必要とされていると強く感じます。
マーケットに支持されるためには、どんどん自分たちも進化していかないと。
飽くなきチャレンジが必要です。
]]>1代目(GSSと呼んでました)は、かなりオリジナルな要素が多かったですが、2代目(「Jairo」と名付けました)から大幅に世の中の流れを取り込みつつ、3代目(Jairo2)になるにあたっては、当社なりの経験(体験)から、当社のターゲットとしているBtoC分野でのWebアプリケーション開発にとってメリットのある要素をフレームワークとして積極的に盛り込ませたものになっています。
フレームワークの有用性についての議論というのは、いろいろあると思いますが、実際に開発に取り組む開発者の視点と、それ以外の職域の方々の視点で、非常に重要度の認識に差が出るものでもあり、なかなかそのギャップを埋めるには努力を要するものであるように思います。
今回は、そのギャップを少しでも埋められる話にできたらと思って、私なりの解釈でフレームワークの有用性(大事にすることの価値)についてまとめたいと思います。
観点は、どちらかというと開発現場のお話ではなく、組織運営的な観点からのお話になっています。
まず、結論からですが、フレームワークというものの有用性を理解し、重要視できている会社と、そうしたものに対する意識があまりなく、都度都度の対応で開発をこなす会社では、一言で言うと「アウトプットに大きな差がでてくる」と思っています。
どの開発会社でも、アプリケーション開発の現場では、おそらくフレームワークについての有用性の認識があるのが普通のことだと思いますが、経営陣や営業部門はもちろん、バックオフィスに至るまでが、フレームワークの有用性をしっかりと捉えて、それを会社として保有し、育て、活用し、強みにできていると認識できているところは、全体から見たら少ないのかもしれない、と感じています。
パッケージソフトやソリューションを「商品」として掲げる会社は、その「商品」の開発現場が「商品」を作るためにフレームワークを活用していることが多いでしょう。しかし、その現場で何を利用していようとも、会社全体でそれを認識している必要はあまり無いことと思います。開発部門以外の部門は、自社で取り扱かっている「商品」このことをまずはしっかり意識(理解)していることに高い優先順位があると思うからです。
ですが、当社を含めた受託開発を基本とした会社では、フレームワークが会社の中にあって、それを意識して組織が運営されているのと、そうでは無いのとでは、大きな差があるように思うのです。
それは、会社が様々な仕事を通じ、時の経過と共に獲得していく「経験や知識」を未来に継承していくことができる具体的な対象があるか無いかの差になってくるのではないかと思うのです。
「学習する組織」という言葉がありますが、自社に標準とするフレームワークを保有し、それを自分たちで育て、活用し、強みにできている(あるいは強みにしようとしている)開発会社は、まさに「学習する組織」に既になっている(無意識のうちにそこに向かっている)ように思うのです。
「学習する組織」の対極にあるのが「管理する組織」ですが、品質や納期をルールを作って管理する努力をいくら優先しても、本質的に組織が経験から学習し、新しい仕事にそれを自発的に活用するフィードバックの仕組み(対象)がなければ、結果として、プロジェクト毎の品質にばらつきが出たり、同じ過ちを何度も繰り返したり、構成メンバーの入れ替わりによって極端にパフォーマンスが落ちたりということを避けきれないように思うのです。
また、組織的な対応力を発揮してトラブルに対処する力が発揮できるのも、標準的に用いるフレームワークが定められている強みになるのではないかと思うのです。現場の中でやりとりされる共通言語があり、状況の共有がスムーズにできることが、トラブルシューティングをする上では非常に重要だと思うからです。
開発を委託する場合の委託先選定プロセスの中に、こうした差を評価して頂ける項目があることが望ましいところではありますが、必ずしも、この差を見極めた上でのパートナー選びが十分にできうるかというと、そうでも無いのが実情かもしれません。見積もり価格が安いことを第一に考えた場合には、こうした観点の価値の比較が抜け落ちる可能性があるように思います。
私たちは、技術的な話を噛み砕いて、エンドユーザ企業様にこうした価値の比較検討が十分にできるよう、分かりやすい説明をしなければならないと思っています。
そして、それをすることが、インターネット産業を産業として成熟したものにするために必要なことで、私たちのミッションの1つなのかもしれないと思っています。
当社にはもう3代目になる、大切に育ててきたフレームワークがあり、それを中心に、組織的に、個々のプロジェクトで個々に得た「経験や知識」を組織全体で共有できるような土台が存在しています。こうした土台のおかげでトラブルシューティングにしても幸いにして組織的なアクションが取れるようになっていると思います。
まだまだその取り組みについては、道半ばですが、こうした土台を利用して価値を組織内に溜め込んでいくことは、当社を選んで頂いたお客様にとって、必ずやベネフィットをもたらすものと信じています。
フレームワークを持っていることの価値を改めて考えてみると、こういうことなんじゃないかなぁと、改めて思いました。
・・・夏が戻ってきた感じですね。週末のBBQが楽しみです。
コンテンツプラットフォームの未来
http://d.hatena.ne.jp/kawango/20090717/1247788288
というエントリーを読んで、なんだか自分の頭で考えていることをアウトプットする欲求に駆られまして・・・・。^^;
で、お題は、「インターネットでコンテンツを販売する際のプラットフォームの選び方」という内容になりました。
以下にて、全文ご披露致します ^^;
<インターネットでコンテンツを販売する際のプラットフォームの選び方>
インターネットでコンテンツを販売しようと考えたら、まず第一にコンテンツのフォーマットがどういったものになるのか、その観点での吟味が必要になります。
音声データなのか、動画データなのか、画像なのか、PDFなのか、はたまた、ゲームなどのソフトウェアなのか。
もともとインターネット上にデジタルデータ(ファイル)として流通可能なフォーマットになっていないもの(たとえばDVDとかCDといったパッケージに収まったフォーマット)の場合には、最も手間無く変換可能なフォーマットは何になるのかを見極める必要があります。
次にターゲット(売り先)の見極めが必要です。
パソコンユーザを対象にするのか、ケータイユーザを対象にするのか。
パソコンにしても、国内では90%以上のシェアをもつWindowsマシンを対象にすればよいのか、比較的少数派にはなるものの存在感のあるMacをターゲットにすべきか。
こうした観点から、流通させたいコンテンツとその対象を決めると、選択可能なプラットフォームがおおよそ見えてくると思います。
市場の広さ(=単純にユーザーの多さ)を考えれば、ケータイ利用者を売り先として視野に入れることはアリな考え方です。ですが、ケータイでスムーズに取り扱えるフォーマットにコンテンツを変換しうるのか?という観点でも検討が必要になります。ケータイも高機能化され、いろいろなフォーマットでコンテンツ配信ができるようにはなってきていますが、制限がまだまだいろいろあります。ケータイコミックなどは標準的なフォーマットか既に確立されている代表的な例ですが、販売したいコンテンツがそうしたフォーマットへの対応を簡単に行えるかどうかを見極めなければなりません。
コンテンツの出し先とフォーマットがおおよそ見えてきたら、続いて、数あるコンテンツ販売プラットフォームの中からどれを使うのがよいか、検討する段階に入ります。
もちろん、プラットフォームを自作してしまうという発想がこの時点である場合もあるでしょう。投資はかかりますが、やりたいことを完全に思いのままに実現するためには自作するという発想になっても不思議ではありません。
しかししかし、販売プラットフォームを自作し、そのプラットフォームを利用してコンテンツ販売を試みた例で、最終的に初期投資を回収しきれず、力尽きてしまった例は無数にあるように思います。自作することで自由に要件を定義できるだけに、なんでも盛り込む傾向となり、結果的にオーバースペックなプラットフォームをこしらえてしまい、その後の回収に苦戦するといった例です。
こうした過去の失敗事例から学べば、自作という選択肢はよほどのことが無い限りコンテンツホルダーにとって選択しえないのではないかと思います。
そうなると、コンテンツホルダーは、プラットフォームを保有してコンテンツ販売サイトを運営している販売事業者にコンテンツの販売を委託するか、コンテンツプラットフォームを機能として貸し出してくれる事業者から販売の仕組みを借り受けて、あたかも自前の販売サイトのように運営するかのどちらかの選択肢を求めることになるかと思います。
前者は商品を販売店に卸す形に近い話です。販売に関する一切をお任せできるのでコンテンツホルダーにとっては楽な選択ではありますが、一方で、販売価格の決定権は持てないし、実際に購入したエンドユーザーの情報も握れない。その上で、それなりの%での販売手数料を通常は求められたりもします。
販売を委託した場合、本屋さんに本が並ぶような形になりますが、意図しないジャンルのコンテンツと同列で陳列をされてしまう可能性などもあり、ブランディングを大切にしたい場合には不向きなこともあるかと思います。
商品としてのコンテンツの供給に徹して、消費者に対する小売を流通に任せるという構造は、非常に分かりやすい話ではあるのですが、あまりインターネットっぽくは無い感じもしますね。
インターネットの良いところは、情報の生産者と消費者がダイレクトにつながれる点にあり、その効率のよさをビジネス上のメリットに変えられれば、インターネットの価値を享受して、リアルな世界では決して実現できないような効率のよい結果を得られる可能性があるというところです。
そこで後者の選択、つまり、販売の仕組みのみを借りて、直接消費者にアプローチし、獲得したファンとの関係を自らで大切に育んでいくことで大きな価値を醸成していくという手段を選ぶことも選択肢になってきます。
実際にこの選択をとってダイレクトにコンテンツ販売を行っているのが勝間和代さんです。
デジタルコンテンツを販売するためのプラットフォームの中からASPとして利用可能なものを選択し、自らのサイトで、自らのブランディングとマーケティングによって顧客を獲得して、ビジネスを展開していらっしゃいます。
もちろん、コンテンツを流通させる上でのフォーマットとプラットフォームの組み合わせに関しては、より多くの方に届けられるようにするためにさまざまな展開を行っていらっしゃっており、ネットの利点を生かした効率のよいビジネスを推進されています。
結論、コンテンツホルダーにとって、インターネットを活用するメリットは大きいはずなのです。
しかし、ITリテラシーを高めて、自らでやれることをどんどんやっていかないと、結局は中間で仕事を代行する様々なプレイヤーにコストを支払ってビジネスを駆動させる(まかせる)構造になってしまい、思ったほど成果が上がらないビジネスになってしまう可能性があるのです。
幸いにして、テクノロジーの進歩によって、必要となるITリテラシーの敷居は下がる傾向にあるといえます。常に研究は必要ですが、いろいろな可能性を試してみて、感覚を掴むことで、やれることはどんどん増えていきます。初期投資を抑えて取り組める手段もいろいろあります。コンテンツホルダーがインターネットの活用に向けてチャレンジできることはかなり増えてきているのではないでしょうか。
インターネットという新規のフィールドでのビジネスを新たに始めるにあたって、「良く分からないことが多いので専門家にすべてお任せしたい」という気持ちになるのは分からなくはない話です。が、すべてを任せてしまっては、インターネットでビジネスをすることで得られるはずの価値を最大限に獲得することは叶わないという一面もあると思います。
今回のエントリーでまとめさせて頂いたように、コンテンツホルダーがインターネットを活用したビジネスから得る価値を最大化させるためには、「誰に向けて」「どういたっフォーマットで」「どのプラットフォームを選択して」コンテンツの販売を行うのかを、十分に検討すること、そして、できるだけ自分たちでやれることは自分たちでやってしまうという考えをもつこと、が重要なように思います。
以上、長々と書いてしまいましたが、これからネットでのコンテンツ販売に取り組もうとされている方の参考になりましたら幸いです。
... もうすぐお盆休みですね。「僕夏」のイメージが頭をめぐります。
短縮URLは必要悪か、単なる悪か。
ソニー・ピクチャーズ製作、アニマックス開局10周年記念作品第3弾
「VIPER’S CREED」の“オンライン試写会”を開催
ー2008年12月22日から26日に、1,000名様限定で実施ー
『あの勝間和代氏が、自身の思考力養成講座をデジタルコンテンツ王を使って販売!』
ネットワーク型電子マネーについてもブロードバンド回線のインフラ整備に伴い、デジタルコンテンツ市場での利用が拡大し、前年対比157.5%の756億円と急成長している。
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場所 東京ビックサイト
誠実 まじめにせよ
規律 きまりよくせよ
勇気 こころをつよくせよ
協同 ちからをあわせよ
勤勉 せいだしてはたらけ