やっと

やっと読み終えた1冊の本を紹介したいと思います。
あの有名なドラッカーの本です。


 
2002年に出版された本です。中身は、2000年前後にドラッカーが受けたインタビューや、ドラッカー自身が書いた、コラム、論文などからまとめたものです。

当時から見た「ネクスト・ソサエティ」がまさに「今」になって現実の状況になってきたのかも・・・というのが、この本を今になって読んだ私の感想です。

当時にしてみれば、予測だったのかもしれません。
今の私にとってはリアルに感じられることが多く書かれています。

出版当時に購入したものだったのですが、つい先月まで、読まずに本棚に飾られてました(笑
ですが、何かの運命でしょうか。突然、手にとって、急に読み始めました。

この本の中に、「こうしたらよい」とか、「こうしなさい」とか言う答え的な要素はまったくありません。

出版当時92歳のドラッカーが、歴史上の出来事との比較や類推を交えながら、ネクスト・ソサエティ(異質な次の社会)を予見し、それぞれの読者の立場で、備えよ、と言っているだけです。
※ドラッカーは2005年に他界しました。

本の後半は、政治と経済の話が濃くなっていますが、前半は、企業と組織の話が中心ですので、「テクノロジー」と「マネジメント」というキーワードに敏感な人にとっては前半がとても勉強になると思います。

前半部分の目次にあるタイトルを一部だけ紹介すると、

 雇用の変貌 − 新種の知識労働者〜テクノロジスト
 製造業のジレンマ − 製造業の相対的地位の変化
 企業のかたちが変わる − 秩序の崩壊/意欲の源泉
 トップマネジメントが変わる − 組織としての個の確立
 ネクスト・ソサエティに備えて − チェンジ・エージェントたれ

といった内容です。今、現実に目の前で起こっていることに対する頭の整理として、とても勉強になりました。


ちなみに後半は、日本について多く語られている点が面白いです。

今まさに日本で起こっている出来事を照らして考えると、ドラッカーが生きていたら、この状況をなんと評するか、聞いてみたくなります。

日本の中央銀行である日銀の次期総裁がさくっと決まらない話とか、長年先送りされてきたガソリンにかかる暫定税率の話とか、12年ぶりの100円の大台突破の円高のこととか。

ホント、なんて評するんだろう・・・。
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